太陽光発電で元を取るには蓄電池は設置するべきなのか?

太陽光発電によって生成した電気を電力会社に売電することができる固定価格買収制度の存在は有名ですよね。太陽光発電システムで利益を上げようと考えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

しかしながら、太陽光発電は電気を貯めることはできません。その弱点を補おうと蓄電池の存在に注目が集まっています。

今回は、太陽光発電で利益を出そうと考えている人にとって蓄電池を設置するのはメリットがあるのかを検証していきます。

□蓄電池とは

そもそも皆さん蓄電池について詳しくご存じでしょうか。
蓄電池とはその名の通り、電気を貯める装置です。そして貯めた電力は好きなときに放電して使用することができます。

一方、先述の通り太陽光発電システムは電力を生み出すことはできますが、その電気を貯めることはできません。

□蓄電池の相性

蓄電池は電気を貯めるだけで発電するわけではありません。ですので一見利益を出すことはできないように思われます。しかし、電力会社の料金システムを理解することで、その謎は解決できます。

日中の時間帯や季節によって電力の使用量は増減しますよね。この電力の需要量の増減に合わせて電力会社は電気を発電することになるのですが、できれば電力の使用量の増減の振れ幅は少なくしたいという思いがあります。毎回一定量の電力を発電する方が、極端に発電量が上下する場合よりもコストがかからないからです。

ですので、電力会社はピークカット・ピークシフトという制度を実施しています。

□ピークカット・ピークシフトとは

ピークカット・ピークシフトとは簡単に説明すると電力の使用量の最大値を抑制したり最大値が訪れる時間帯をずらしたりするというものです。これによって先ほどの発電の際のコストを抑制しようと取り組んでいるのです。

□電気料金システム

さらに電力会社は上記の取り組みを推進するために、日中のような電力使用が集中する時間帯の電気料金は高く、そうでない時間帯は低く設定するというプランを売りだしています。蓄電池を導入するとこのプランに切り替わることが多いです。

□メリットとは

日中の電気料金が高いプランになったとしても、太陽光発電によって発電する時間帯と料金が高い時間帯が被るので実際は影響がありません。

しかし、ここで疑問が生まれると思います。それは蓄電池を設置しなければ日中割り増しの料金プランにもならないので、さらに利益が出るのではないかということです。

□結論

ここで結論に移ります。
利益を求めるのであれば太陽光発電システムの設置のみの方が良いです。では蓄電池を設置することのメリットは何なのでしょうか。

蓄電池は本来利益を出すための装置ではなく、もしもの時に電気を貯めておくためのものです。そのため、蓄電池を設置することに金銭的な利益を求めることはナンセンスなのです。

しかしながら、太陽光発電と蓄電池の設置を組み合わせることで、太陽光発電単体の時よりも利益が出るまでの期間は長くなりますが、蓄電池のメリットも同時に手に入れることができます。

利益が出るまでの期間の延長と蓄電池のメリットを手に入れることを比べた時に、単体で設置するよりも得をするというのが本質的な部分になるのです。

長期的に利用すれば金銭的利益も出ますが、いち早く利益を出したい場合は太陽光発電システムのみが良いと言えるでしょう。